豚すじの煮込み未満

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 豚すじ肉があったのでどんなもんかと手に取ってみたものの、創意工夫意欲が全く湧かず20~30分くらい茹でただけの何か。たまたまあったシシトウの煮浸しを添えて。盛り付けは例によって雑。味ぽんなりポン酢なり醤油なり好きな調味料を選ぶ。美味い。適当に茹でただけなのに美味い。

 とはいえただ茹でただけなので、すじ肉特有の「手間暇を掛けて作った煮込みが美味しい」といった感動は得られない。あくまでも「新鮮な豚肉」といった美味しさであり、得られるのは「こんな簡単なのに美味しい」という感動だ。「簡単」こそが付加価値であり、美味しさを底上げしている気がする。安さも同様。シンプルに言えば、こうだ。

 

「安い! 簡単! ウマい!」(早くはないよ)

 

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 料理におけるハードル、すなわち「面倒臭さ」は人によってそれぞれだ。巷に溢れる「簡単料理」「ズボラ料理」は、見る人によっては「どこがズボラなんじゃい!」とツッコみたくなるものもあるだろう。私自身の基準としては、まな板と包丁を持ち出す時点でハードルが高いと言わざるを得ない。

 それならこの豚すじはどうやってカットしたのか。キッチンばさみだ。臭み消しのネギやショウガなどはあらかじめ適当にカットして冷凍してあるものを使用。量が少ないので下茹でする際のお湯も少なくて済む。

 下茹でしたら適当にカットして水とともに再び鍋へ放り込む。あとは上の画像のように臭み消し(ネギ・ショウガ・ニンニク・酒)を適当に入れて適当にアクを取り、弱火で20~30分茹でるだけ。煮汁は一緒に食さないので煮込みではない。後日スープなり何なりに再利用される。味付けは各自に丸投げするのでいちいち調味料を用意する必要も無い。手間が全く掛からないというわけではないが、包丁を使用しなくてもいいのと調味料を計らなくていいという点はかなりポイントが高い。

 そんな簡単美味しい料理だが、欠点はある。「売ってない」ことだ。生活圏内のスーパーではまず見掛けない。時々行く店の精肉コーナーに時々置かれているだけ。あればラッキー☆くらいの遭遇率。もう少し肉屋を開拓してみるか……それよりも魚屋のほうが……生活圏内に無いんだよ良い魚屋が。近くに海も無いし仕方ないんだろうけど。